本番の効用 舞台を踏むことで得られるもの

発表会やコンクールなどの大きな舞台を踏むことで、ピアノ演奏の実力が飛躍的に伸びるだけでなく、人間としていろいろな力をつけ大きく成長することができます。本番を経験することで得ることのできる力について解説します。

目次

目標を達成するために

普段のレッスンではある程度の合格ラインをレッスンの時間内にクリア出来れば丸をもらえますが
本番ではその合格レベル以上の演奏を必ずできるようになっていないといけません。
1回の本番では1回しか弾くチャンスがないからです。

練習してきたことを緊張の下で1回目に出し切るのは非常に難しいことですが
それをめざして普段の練習よりも綿密に努力を重ねていく必要があります。

「弾けるようになった」と思ったところからが勝負で
そこから弾きこみ、磨き上げ、精度を上げていく作業を続けていくことで本番に臨む準備を万端にしていく。
そういう体験をすることで以下のような力が養われていきます。


根気・持続力

コツコツと何度も繰り返して練習することは初めのうちはしんどいことです。

 

パウゼちゃん
パウゼちゃん

同じことを繰り返すことは面倒で嫌い~。

でもやらないと確実に弾けるようにならないんだよね~(泣)

 

 

面倒と思う心を克服して練習をすればするほど
うまく確実に弾けるようになるという実感を持てるようになり
根気強く粘り強く課題を乗り越える力が身についていきます。

計画性

発表会やコンクールなどの本番は日程が決まっています。
人間は子どもでも大人でも期限が決まっていないとやる気が出ないもの。
いつまでにこれをしなくちゃと切羽詰まらないとなかなかお尻が上がらないものです。

パウゼちゃん
パウゼちゃん

私だけじゃないと思うの~

 

本番までの期間から逆算して
今月中に通して弾けるようにする、暗譜はこの日までにする、など
計画的に練習を進めていくことが重要になります。
本番という大きな目標、そこにたどり着くまでの小さな目標を一つずつ
計画的にクリアしていく姿勢が養われていきます。

集中力

うまく弾けていないところは先生に注意を受け、どうすればいいか教えてもらえていると思います。
先生に指摘されたことを直す努力をしないとなのですが
ボーっとしていては今までの癖は直りません。
注意されたことを実行し、そしてそれができているかを自分でチェックしながら
頭と耳をフル回転して集中して取り組むことが必要です。

たすてちゃん
たすてちゃん

なんとなく練習していても何となくしか上手にならないのよね。
全集中が大事よ。

 

そして修正したことが1曲の流れの中でできるようにならなくてはならない。
1曲の最初から最後までの集中力の持続も求められます。
このように課題に取り組んでいくことで集中力も身についていきます。

 

分析力

先生に注意されたところもですが
自分が何ができていないのか、何がうまくいっていないのかを分析し
その問題点をどうすれば克服できるのかを考えることが曲を仕上げていくうえで必要になってきます。
常にそのような思考パターンで練習に取り組むことで分析的に思考する能力もアップします。


度胸

人前で弾くのは誰しも緊張するもの。
失敗したらどうしようという恐怖に襲われたことのない人はまずいないと思います。
しかしその怖い思いを乗り越え舞台に出て演奏できたという経験は
試験やスポーツなど人前でいざ何かをするときや、緊張する局面を乗り切っていく度胸につながっていきます。

 

えんてくん
えんてくん

弾き直しのできないピアノの本番に比べたら

答案を何度も消しゴムで消して書き直せるテストなんて

なんて楽なんだと思えるようになるよ(笑)

 

 

結果がすべてではない

力を出し切れなくて思うように弾けなかったとしても

準備をしっかりしていたつもりでも
本番で思いもしなかったような失敗をしてしまったりすることもあります。
もちろん何らかの理由はあると思います。
本番への気持ちの持っていき方がうまくいかなくて集中できなかったとか
重い荷物を運んだ手が思っていたよりも疲れてしまっていたとか。

でも頑張って練習して人前で披露できるレベルまでに曲を仕上げて
いつもとは違う空間で
いつもと違うピアノで
たくさんの人の前で弾くという大きなプレッシャーの中で弾ききったこと。

それはひとつの大きな成果です。
緊張に立ち向かった勇気とやり遂げたことは誇れることです。

 

せいこ先生
せいこ先生

うまくいかなかった悔しさをばねに練習を続けて

次の機会にはよりよい演奏ができるように頑張っていきましょう。

 

 

自分の力を出せたのに思うような結果が出なかったとしても

コンクールや試験などでは
自分なりに力を出せていい演奏ができたと思ったのに不合格という結果になってしまうことも多々あります。
思うような結果が出ないと悔しいし
あの人が通って私が落ちるのは納得いかないということもよくあることです。
しかしその結果はあくまで他人が出した評価です。

芸術はもともと点数化できるものでなく
それぞれの人の好みや価値観によって評価は変わるもの。
期待したような評価が出なかったとしても一喜一憂しないようにしてください。

点数の良し悪しよりもそこまでの過程が重要で
確実にそこに向けて努力した分のピアノの実力は上がっています。

先ほど書いたような勉強やスポーツなどにも通じる「生きる力」を蓄積して
人間として成長していくことがこれからの人生において大切なことなので
よくない結果に怒っても泣いてもいい。
でも一晩泣いて落ち込んだら
次の朝からは気持ちを切り替えて
いい結果にならなかった原因と問題点を分析し次のステップアップにつなげていきましょう。失敗は成功の母です。

 

せいこ先生
せいこ先生

失敗を恐れず勇気をもって本番へのチャレンジを続けて

前向きに頑張っていきましょう!! 

 
 

 

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