メロディーと伴奏のバランスをうまくとるにはどうすればいいの? その2 ~片手でメロディーと伴奏を両方弾く場合

メロディと伴奏の両方を右手だけ、もしくは左手だけで弾かなくてはならないときがあります。片手の中で指をコントロールし、いいバランスでメロディーと伴奏を弾き分けるのは至難の業。そのコツと練習方法をお伝えします。

目次

両手の時と基本ポイントは同じ

やるべきこと、注意すべきことは基本両手の時とほぼ同じです。

どこがメロディでどこが伴奏かを見分ける
音型、拍のまとまりを意識して2番目の音を小さく弾く
1つの音型で1つの手首の動き
鍵盤からほぼ指を離さない

 

少し違うのはメロディと伴奏が同じ段に書いてあるので少し見分けにくいこと。

えんてくん
えんてくん

でも大丈夫。棒の向きを見ましょう。

追加ポイント&練習法

どこがメロディでどこが伴奏かをどう見分けるか

上向きの棒の音を歌う人と
下向きの棒の音を歌う人がいると思ってください。
それぞれの向きの棒のラインを単独で弾いてみてどちらがメロディか判断してください。

譜例1

ブルグミュラー25の練習曲より 清らかな流れ 冒頭部分の楽譜の写真

ブルグミュラー25の練習曲より  「清らかな流れ」 冒頭部分

この曲の場合だと右手の上向きの棒の3連符が伴奏、
下向きの4分音符の赤いラインがメロディです。
伴奏の音型の最初の音がたまたまメロディでもあるので同じ音の玉に両向きに棒が出ています。

 

 

譜例2

チェルニー30番練習曲より 第26番 中間部分の楽譜の写真

チェルニー30番練習曲
第26番より

 

 

この場合は左手の上向きの棒の赤のラインがメロディ、
下向きの棒が伴奏になります。

 

いいバランスを見つけるには?

いきなり片手でメロディと伴奏の二役を弾かないで
上向きの棒の音を右手で、下向きの棒の音を左手でというように
両手で役割を分けて弾いてみましょう。
2つの声部を両手で弾きながら良いバランスを探してください。

そしてメロディと伴奏の良いバランスを耳で覚えたら
片手でそのバランスになるように弾きましょう。

パウゼちゃん
パウゼちゃん

え~?!簡単に言うけど片手でしっかり響かせるメロディの音と静かに弾く伴奏の音を弾き分けるのが難しいんだよ~。

たすてちゃん
たすてちゃん

具体的にどうすればいいの?

片手でバランスをとるためには?

せいこ先生
せいこ先生

3つのポイントに気をつけてみましょう。

1. 指先のつかみ

メロディとして響かせたい音は指先を立ててギュッと鍵盤をつかんでください。
輪郭と発音のはっきりした音になります。
伴奏の音(特に2番目の音)は逆に鍵盤に指先を触れるだけのつもりで弾いてください。鍵盤の底までたどり着かなくて構いません。
音が抜けてはダメなのですが「うるさいくらいなら抜けた方がいい」くらいの気持ちでちょうど良くなります(笑)

2. 手の重心

普通に鍵盤の上に手を置くと手の中の重心は真ん中の3の指にありますが
メロディを弾く指の方に少し手を傾けて重心を移してみてください。
譜例1,2の場合は1の指の方に

譜例3

ベートーヴェン ピアノソナタ第8番 「悲愴」 第2楽章 冒頭部分の楽譜の写真

ベートーヴェン ピアノソナタ 第8番 「悲愴」 第2楽章より

 

譜例3は5の指の方に傾けて重さをよりメロディの指にかけると
メロディの音が響きやすくなり、また伴奏の音を軽く弾きやすくなります。

 

3. 伸びている音の響きを聞く

譜例3の曲ではメロディの音が伸びている間に伴奏の音が細かく動いていますが

ベートーヴェン悲愴ソナタ 第2楽章 冒頭部分 線あり楽譜

ベートーヴェン ピアノソナタ 第8番 「悲愴」 第2楽章 冒頭部分より

その時に青の線のように音を追いかけて聞くのではなく
赤のラインのメロディの音の響きが伸びて次の音に繋がっていく瞬間を聞くようにしてください。
音が発音された瞬間だけでなく音が伸びている間の響きを聴く習慣をつけましょう。
メロディラインのつながりを聴こうとすれば自然と伴奏部分はメロディの邪魔をしないように静かになっていきますよ。

 

せいこ先生
せいこ先生

メロディと伴奏のバランスをコントロールする技を習得して

立体的な演奏を目指しましょう!

 

今回はメロディと伴奏のバランスに絞って書きましたが
伴奏はただ小さく静かに弾けばよいというものではなく、拍子感や和声感を握っているので
実は曲のキャラクターを左右する重要な役割を担っているのです。
主役のメロディを生かすも殺すも脇役の伴奏の匙加減次第。
伴奏をうまく弾けるとより表情豊かな演奏になっていくのですがそれについてはまたの機会にお話ししますね。

 

せいこ先生
せいこ先生

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