マスターへの近道!スケール・アルペジオを練習するときの注意点

全調のスケールとアルペジオ、そしてカデンツをマスターすることはピアノ上達のために必須です。機械的に練習するのではなく、頭と耳をよく使ってより早く覚え、より美しく弾けるようにしましょう。そのために何に注意して練習すればよいか7つのポイントを解説します。

目次

それぞれの調の調号、臨時記号を覚える

せいこ先生
せいこ先生

まずはそれぞれの調の固有の音を覚えましょう。

  • 調号として♯、♭がいくつ、どの音についているのかを覚える

♯はファドソレラミシドソレラミシ、♭はシミラレソドファ(♯と逆向きですね)の順で調号は増えていきます。
例えばホ長調なら調号は♯が4つ、ファとドとソとレについていると暗記してしまいましょう。
同じ調号を持つ長調と短調(平行調)をセットで覚えてしまうと良いです。

  • 短調では6番目と7番目の音に臨時記号がつく

短調には3種類の音階があります。
①調号通りの自然短音階
第7音が半音上がる和声短音階
③上行で第6音第7音が半音上がり、下行では元に戻る旋律短音階
曲の中で使われることの多い②と③を練習していくことになるのですが

臨時記号で変化する音は第6音と第7音のみです。ほかの音は変化しません!!

和声短音階と旋律短音階の定義もしっかり頭に入れておきましょう。

たすてちゃん
たすてちゃん

音自体を忘れてしまっても調号と定義を覚えていれば自分で音を導き出していけるわよ。

  • カデンツ 次の和音との共通音を探す

 I-IV-I-V(7)-I のカデンツの場合右手の和音には必ず前の和音との共通の音があります。
ほかの音も2度上に行くか2度下に行くかだけです。各声部の動きは同じ音が隣に行くだけと理解していれば音を迷うことは少なくなります。
短調のカデンツでは和声短音階の音が使用されることも頭に入れておきましょう。

えんてくん
えんてくん

頭と耳と手のすべてを使いながら練習すると各調のカデンツを早く覚えてしまえるね!

正しい指使いを覚える

せいこ先生
せいこ先生

それぞれの調のスケールとアルペジオを弾くのに先人ピアニストたちが編み出してくれた(笑)合理的な指使いを使いましょう。早く美しく弾けるようになる近道です。

  • スケール 4の指の音を覚える

各調とも4の指で弾く音は1オクターヴの中で一音だけです。
例えばハ長調なら4で弾くのは右手はシ、左手はレだけになります。

それ以外の音を4で弾かないようにしていくと自然と正しい指使いでスケールが弾けるようになります。
下行の時に4の指で弾く音を間違えやすいので注意しましょう。基本的に上行と下行で4で弾く音は変わりません。
(嬰へ短調、嬰ハ短調の旋律短音階の右手と嬰ト短調の旋律短音階の左手を除く)
そして1をくぐらせたり1の上に3,4の指をかぶせる時以外は隣の音は隣の指で弾きます。
(嬰へ短調、嬰ハ短調の旋律短音階で上行から下行に方向転換をするときに右手に指縮めが出てくるところのみ例外)
4で弾く音を各調で覚えてこの規則を守ればあっという間に正しい指使いが身に付きますよ!

  • アルペジオ

白鍵が主音の調では第3音を左手が3で弾くのか4で弾くのかをチェックしましょう。
短調はすべて4、長調は第3音が白鍵なら4、黒鍵なら3です。
黒鍵が主音の調はとにかく白鍵を1で弾く。アルペジオの構成音がすべて黒鍵の変ト長調と変ホ短調は仕方ないので1でも黒鍵を弾いてください(笑)

手首を動かすのは上下でなく左右

無意識に弾いていると1をくぐらせたり、1の上に指をかぶせたりするときに手首が上がったり下がったりします。
白鍵に比べて黒鍵は位置が高いので黒鍵を弾く時に手首が上がり白鍵で下に下がることも多いです。
しかし手首が上下するとその動きに伴って音量がデコボコしてしまいます。粒がそろわず滑らかにつながらなくなります。
手首の高さは変えずに弾くことを心がけましょう。
上下ではなく左右に柔軟に動かして鍵盤に対する手の角度を変え、指くぐり、指かぶせをすると不必要なアクセントがなくなり音がそろうようになってきます。
黒鍵を弾くときも手首を上げるのではなく少し指を伸ばしましょう。それで十分。黒鍵の時に音が膨らまなくなります。

 

肘を無駄に動かさない

指をくぐらせたりかぶせたりするには手首を左右に動かして鍵盤に対する手首の角度を変えるだけで十分です。
特にアルペジオの時に1を一生懸命くぐらせようとして肘を大きく外に張り出していまいがちですがそんなに動かさなくてもくぐってくれます。余計な動きはミスと疲労の元になるので、肘はなるべくおとなしくさせておきましょう。

指の形に気を付ける

いい音で弾くためには指先で鍵盤をつかむように弾くことが大切です。そしてあまり鍵盤から指を離さず、なるべくそばで弾くと音の粒がそろいやすくなります。
指の第1関節がへこんで指のお腹で弾かないように(黒鍵の時もですよ!)。指先で鍵盤にタッチできるようにいつも指を丸くすることを心がけてください。
弾いていない指に余計な力が入り、ピンと伸びて鍵盤から離れてしまわないようにも気を付けましょう。
そして特に気を付けてほしいのは1の指の形です。力が入って外向きに伸びてしまい第1関節で弾いてしまっている人が結構いますが、その弾き方では1の指をうまくコントロールできません。

1の指は内側に曲げ爪の横で弾くことを心がけましょう。
外側に伸びている時よりも次の音への距離が近くなって手首の角度を大きく変えずに済むのでくぐらせやすくなり、音量、音色のコントロールがしやすくなります。

ポンと自然に力を入れずに手を鍵盤の上に置くと1の指は内側に少し曲がっているはずです。その自然な形をキープして弾くのが理想的です。

鍵盤に触ってから弾く

音はずすことを防ぐためにも、音量や音色のコントロールをするためにも
次に弾く音の鍵盤の上に指を置いて、鍵盤を触ってから音を出す習慣をつけましょう。

音の粒がそろっているかよく聴く

指の形に気を付けるのも手首の高さに気を付けるのも音の粒をそろえて美しく弾くためです。
長さはそろっているか、不必要なアクセントがついて音量がデコボコしていないか、レガートで弾けているか、音は重なっていないかなどよく聴いてチェックしましょう。
自分で自分に採点しながら練習すると効果が上がりますよ。

 

せいこ先生
せいこ先生

指の訓練だけでなく耳の訓練もしましょうね

 

 

1のコントロールのために
例えばハノン39番のスケールは4分の2拍子で書かれています。2拍子を意識して拍頭にアクセントをつけそれ以外の音を軽く弾きましょう。拍頭にあたらない1の指のが飛び出さないように気を付けて練習することが1を指のコントロールにつながっていきます。

 

 

せいこ先生
せいこ先生

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