ブルグミュラー 25の練習曲 No.2 アラベスク その2 技術編 ~表現したいことを表現するためのテクニック

曲別ポイントレッスン

前回の記事でブルグミュラーのアラベスクの楽譜から作曲者の意図をどのように読み取っていけばよいかを考察しましたが、今回は読み取ったことを音にして表現するためのテクニックとその練習方法について解説します。

イメージしたことを音にするために

表現するためにはまず何を表現したいのかを考えることが必要です。

ここはかっこよく
ここは優雅に
ここは嵐のように
ここは悲しみに暮れて

などのイメージを持ち

だからこんな音色、音量、響きで弾きたいんだ
という欲求をまず持つことが演奏のための第一歩です。

せいこ先生
せいこ先生

そのための楽譜の読み方のヒントを前回お話ししました。

そして実際にイメージしたような音を出すための
タッチや手首、腕、体の使い方を探していく作業に入っていくのですが
その時に心がけてほしいのは

思い描いたような音になっているかを
自分の耳でよく聴いて確かめること。

 

えんてくん
えんてくん

本当に自分はこんな音で弾きたいのか

こんな音の切り方をしたいのか などを

必ず自分の耳でチェックしながら練習することが大切だよ。

 

 

それでは曲の最初から少しずつ具体的な弾き方と練習方法について説明していきますね。

 

弾き方と練習方法

和音の歯切れ良いスタッカート

アラベスク 冒頭の楽譜の写真

冒頭の和音

 

アラベスクの冒頭、そしてそれに続く和音のスタッカートは
scherzandoのキャラクターのために歯切れよく生き生きと切りたいですね。

 

歯切れ良い和音のスタッカートを弾くためのポイント
①いい手のフォーム
②指を鍵盤の上に乗せてから鍵盤の底をしっかり踏み切るように弾く
アラベスク 和音を弾くときの左手の写真

冒頭和音を弾くときの左手の形

 

①指の第3関節を山にし
第1関節も凹ませないでふんわりと丸くして
手のひらでボールを包み込みような形を保ちましょう。
そして指先でキュッと鍵盤をつかむような気持ちで鍵盤の上に指を乗せます。

大切なのは鍵盤に指を乗せておくことです。
決して上から鍵盤を叩かないように。
(上からたたくと音の響きの焦点が合わずまとまらなくなるので
歯切れ良さのためにはマイナスです。)

②鍵盤に指を乗せたら手首のスナップをきかせて突くように鍵盤の底を素早く踏み切ります。
底にタッチしたらすぐに指や手首の力を緩めて鍵盤が底から返ってくるのに任せましょう。
指はほとんど鍵盤にくっつけたままで大丈夫です。
手を飛び跳ねさせても鍵盤は元の位置より上には上がりませんし
手を跳ね上げても鍵盤が自然に返ってくるよりも鍵盤が戻るスピードは速くなりません。

たすてちゃん
たすてちゃん

次の音の準備とコントロールのためにも無駄な動きはなるべく少なくしたほうがいいわよ。

16分音符のモティーフ

アラベスク 3小節目からの楽譜の写真

3小節目から 

3小節目からの右手

アラベスク 繰り返し以降の楽譜の写真

繰り返し以降

そして繰り返しの後から出てくる左手の16分音符のモティーフ

軽やかさと素早さ、なめらかなレガートで粒をそろえて弾くことが求められる音型です。

 

 

パウゼちゃん
パウゼちゃん

特に左手はテンポが遅れてしまいやすいので要注意だよ~

粒をそろえて素早く軽やかにレガートで16分音符を弾くためのポイント
①指は上げないでほぼ鍵盤にくっつけたまま
②スラーで結ばれている5つの音をひとまとめにする

①早く指を動かさないと思って指をバタバタさせてしまうと
余計にそれが遅れる原因になります。音の粒がそろわない原因にもなります。
手の形、指先の支えは先ほどの歯切れい良い和音の時と同じようにして
指先は鍵盤にほぼくっつけたままにしましょう。

②スラーの最初の音にアクセントをつけるつもりで勢いをつけ
後の音はおまけのつもりで一息にひきます。
手首を柔軟にして最初の音を手首とともに下向きに弾き
下を通ってスラーの最後の音で手首をふわっと上げてきます。
スラー一つで一つの手首の上下運動です。
手と指の支えをしっかりさせて
手首の動きとともに弾くと鍵盤はその重心の移動とともに下がってくれます。

右手

左手

このような意識と動きで
スピード感とともに粒のそろったなめらかなレガートを弾くことができますが
弾き終わった音を次の音にきちんと受け渡すことに気を付けて
音が重なってしまわないように注意してください。

 

2音のスラー

アラベスク 2かっこの写真

10小節目 2かっこ

 

 

2かっこで出てくるオクターブの2音のスラー。
その後の右手のメロディーにも2音のスラーが続いていきます。

 

 

 

 

2音のスラーの弾き方のポイント
①最初の音は重く、後ろの音は軽く
② 重力に従った手首の動き 

①スラーはその線でつながっている音がひとまとまりであることを本来表しています。
ひとまとまりに聞こえさせるために音をつなぐのですが
スラー以外何も書いていなければスラーの頭の音を重く強く
後ろの音に行くにしたがってデクレッシェンドして弾くとそのまとまりをより表現することができます。
(先ほどの5音のスラーも後ろの音に行くにしたがって少しデクレッシェンドするつもりで弾いてみてください。ひとまとまり感がより強く感じられますよ。)
2音の場合は頭の音は重く強めに、後ろの音は軽く弱めに弾くと
オクターブが届かなくて物理的に音をつなぐことができなくても
つながっているように聞こえさせることができます。

②重く弾きたい音は下向き、軽く弾きたい音は上向きに手首を動かしながら弾くと
(やわらかく、でもやりすぎずに!)
自然に重さの違いを出すことができます。

 

たすてちゃん
たすてちゃん

ピアノは重力に従って弾くのよ。
お試しあれ。

跳躍

アラベスク 最後の3小節の写真

最後の3小節

この曲の最後の3小節。
大きな跳躍、この曲最後の山場です。
遅れずにrisolutoでかっこよく終わりたいですよね。

 

 

 

大きな跳躍の練習のポイント
①着地先の音を確認する
②着地点に音を出さずにまず正しく指を置く練習をする

①まず跳躍先の音が何なのか、どういうハーモニーなのか、どのくらい移動するのかを把握しましょう。
指使いの確認もしておきましょう。

②位置と移動距離を確認したら
跳躍前の音から着地すべき音の鍵盤の上に正しく音を出さずに指を置く練習をしましょう。
最初はテンポ通りでなくて構いません。
どんなに時間がかかってもいいので目的地の音にまっすぐたどり着くことが必要です。
違う音を弾いてしまってから音を直すのでは、一度間違った音を経由してからでしか正しい音にたどり着けなくなるので
まずは正しい鍵盤の上に指が乗ったことを確認してから音を出す習慣をつけてください。

 

あなたの手と体に正しい移動の感覚を覚えさせ
正しい音を弾くことで正しい響きをあなたの耳に覚えさせることが大切です。

ゆっくりでできるようになったら少しずつ確認のために止まる時間を短くしていきましょう。
そして少しずつテンポを上げてみましょう。
でも必ず正しい音の上に指が乗ったことを確認してから音を出すこと。

えんてくん
えんてくん

それができないほど速いテンポにする必要はないよ。

練習の仕方

そして最後のsfは指を置けたら思い切って素早いタッチで腕の動きも使って
しっかり響かせてかっこよくこの曲を終わってくださいね。

 

あくまで参考に

自分がイメージしている音になっているのなら
ここに書かれている弾き方をしなくても構いません。
今回ここに書いたのは
私がイメージしたキャラクターのアラベスクをイメージ通りに弾くための方法です。
私が長年の演奏や指導の経験から
こういうことを表現したいときにはこういう弾き方をするとよいと体得した方法なので参考にしていただきたいですが

これは私の思うアラベスクとは違う

とか

この方法では私の思うような音が出ない

と思われた方はまずどういうアラベスクを自分は弾きたいと思っているのかを明確にイメージし
理想を実現できているか
実現できていないなら実現するためには何が必要かを
先生に言われたことだけでなく、自分でも方法を考えて練習してみてください。

頭と耳をフル回転させて練習してくださいね。

せいこ先生
せいこ先生

前回と今回の記事がこの曲をより理解し

あなたの思うアラベスクを演奏するための何らかのヒントになればうれしいです。

 

せいこ先生
せいこ先生

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