ピアノを演奏するときの呼吸の方法とは? 歌うように呼吸しよう

ピアノという楽器は鍵盤を押せば音が出るので、ただ音を弾くだけなら呼吸を必要としません。一生懸命弾いているとつい息をすることを忘れてしまいますが、呼吸を伴わないと弾いていることは単なる音の羅列にしかならずつまらない演奏になってしまいます。ピアノを演奏するために呼吸が必要な理由と、ピアノを弾きながらどのように息をすべきかをお伝えします。

目次

音楽は歌が基本

歌うように弾く

ピアノを弾く目的は何でしょう?楽譜に書かれてある音を正しく並べていくことでしょうか?
いいえ、正しい音を正しいリズムで弾くことは手段であって目的ではありません。
ピアノを弾くことで音楽を奏でることが目的です。

音楽の基本は歌です。
すべての楽器は歌うように演奏することが目標です。

歌う時のことを考えてみましょう。どのように歌を歌いますか?

  1. 歌い始める前には必ず息を吸う。
  2. 息を吐きながら声を出す。
  3. フレーズが変わるときには息継ぎをする。

息をしながらでないと歌は絶対に歌えないですよね。

管楽器は息を吹き込んで演奏する楽器なので歌と同じように呼吸しながらで演奏します。
弦楽器は歌で息継ぎが必要なタイミングで弓の動かし方(ボーイング)を変えるので、呼吸との関係が密接です。

しかしピアノは鍵盤を叩いて音を出すので息を伴わなくても音が出てしまう。それが困ったところです。

息をしないで弾くとどうなるか

息を止めていると体が硬くなってきます。
余計な力が入ってしまうので疲れて手や腕が痛くなってきます。音の響きも悪くなってきます。
酸素が足りなくなってきて苦しくなるので余裕がなくなりどんどんテンポが速くなってしまいます。
そうなると自分をうまく制御できなくなります。ミスも多くなります。

呼吸を感じられない演奏を聞いていると聴いている方も苦しくなります。
息苦しそうにしゃべっている人の話を聞いているとこちらも窒息しそうになりますよね。

たすてちゃん
たすてちゃん

弾いている人にも聴いている人にも呼吸のない演奏はいいことなんてひとつもないわ。

ピアノで息をする方法

声に出して歌ってみる

メロディを実際に声に出して歌ってみましょう。
いつどのくらい、どういうスピードで息を吸い、そして吐けばいいかがつかめると思います。
大事なのは声に出してみることです。頭の中だけで想像するだけでなく体感することが大切です。
強い音を出すときと弱い音で歌う時では息を吐くスピードも量も違いますよね。
そしてその前に吸う息の量もスピードも変わってきます。
たっぷり息を吸う時間があるときと、一瞬しか息継ぎの時間がないときでも息の吸い方が全く違います。
その場その場での呼吸の仕方を体で感じてください。

腕と手首でも息をする

息を音を出す前に吸ったり、音を出しながら吐いたりを本当にもしてほしいのですが
吸ったり吐いたりした息を指を通して鍵盤に伝え音にしなくてはなりません。

えんてくん
えんてくん

ってどうやって?

せいこ先生
せいこ先生

腕と手首でも呼吸しましょう。

たっぷりした音を出したいときは肘を
それほどでもないときは手首を
息を吸いながら柔らかく少し持ち上げ
吐きながらすとんと下ろしましょう。
そうすることで脱力もできて弾いている時にたまってくる手や腕の疲れも解消できるので一石二鳥です。
ただ肩は動かさないように
肩を上げてしまうと体に力が入ってしまい、呼吸も自然にできなくなってしまうので注意してください。

 

アンサンブルしよう

ほかの人と一緒に弾くときには息を合わせることが大切です。
音を出すタイミングをそろえたり、テンポ感を合わせるためには相手の呼吸を感じ、自分の呼吸を相手に伝えることが必要になります。
連弾したり、歌の伴奏をしたり、ほかの楽器とアンサンブルをすることは音楽の呼吸を感じ取る良い訓練にもなります。
ほかの人と演奏しながら音楽的な呼吸の仕方を学んでいく経験をなるべくたくさんしてください。

呼吸は音楽には欠かせないもの。
常に心の中に歌を感じながら、どんなに難しいところでも息することを忘れずに弾くことを心がけてくださいね。

 

せいこ先生
せいこ先生

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