良い響きの音を出すためには良いフォームで弾くことが必要です。
手の形、指の形、座り方など良いといわれているフォームは体を合理的にコントロールできるので良い音を出す助けになり、また体に無理がかからないので練習をしすぎてどこかを痛めるということもなくなります。
今回のテーマは「足」。ピアノを弾く作業は上半身に動きが集中しているため忘れられがちな「足」にスポットを当てて、フォームについて考察したいと思います。
基本となる良いフォーム
はこの図の通り。
足はどうすればいいの?
地に足つけること!
体の各部分についての詳しい説明は次回以降の記事でご説明しますが
腕の角度や高さが上の図のようになるようにまず椅子の高さと鍵盤からの距離を定めましょう。
そして必ず足が床に着くようにしてください。
足の裏までしっかりつけましょう。
床にまだ足がつかない小さいお子さんの場合は必ず足台を
こういうものを購入していただければもちろんいいのですが
DIYが得意なお父さん、お母さんなら作ってあげるのもよしです。
家にある木箱などを代用していただいても構いません。
私が子供のころは父が作ってくれました。足台を買ってもらった覚えはないかも(笑)
とにかく足が宙をぶらぶらしている状態だけは絶対に避けてください!!
地に足がついていないと上半身もぐらぐらしてしまい、鍵盤との位置関係が定まらずミスタッチの原因になります。
また体のバランスをとるために余計なところに力が入り、体を痛める原因にもなります。
しっかりとした足の支えのために、必ず床や台に足をつけましょう。
両足をどう置くか
肩幅に開く
大体の女の子は普段座るときに足を閉じるようにというマナー教育を受けていますね。
もちろん電車やバスなどの座席に座っている時、およばれして椅子に座っている時などはきちんと足を閉じてください。
特にスカートの時は閉じてないとまずいことになるので(笑)
でもピアノの時はお行儀よく足を閉じてはいけません!
肩幅くらいに足を開いてください。
高音や低音を弾くときには体の中心を右や左にずらしていかないといけないのですが
(なるべく体の中心に近いところで弾く方がコントールがしやすいため)
足が閉じて真ん中にちょこんと置いてあると体のバランスが取れなくなって倒れてしまいます。
足をしっかり肩幅に開いていれば
高音を弾くときには右のおしりと右足に体重を乗せて
低音の時には左のおしりと左足に体重を移動させて踏ん張って
しっかりと体を支えることができます。
転ばないように気を付けてね~
手を使わずに立つことができますか?
ペダルを使わない場合はひざから下が床面に対して垂直になるような場所に足を置きましょう。
足が前に行ったり後ろに行き過ぎたりしないように。
ペダルを使う場合は左足の位置に気を付けましょう。
手をどこかにつくことなく楽に立ち上がれる場所に左足を置いてください。
ソフトペダルを使用するときは別ですが
左足をペダルを踏む右足に添わせるようにしている人を時々見かけます。
そこに左足があるとスッと立てないですよね?
なぜ立つことができる場所に左足を置くかというと
その位置にあると体の重さを支えられるからです。
たっぷりした響きが欲しい時、手や腕だけでなく上半身の体重をかけて弾くことがあります。
その時にしっかり足で支えておかないと上半身の重さが指に伝わりません。
結果頑張っている割には音が出ないということになります。
音量が出ないと悩んでいる方、一度左足の位置をチェックしてみてください。
びっくりするほど音が変わるよ!!
どうしても弾くことに必死になると足にまで気が回らず
足が床から浮いてしまったり、閉じてしまったりすることが多いです。
でもピアノは手だけで弾くものではありません。
レッスン中生徒さんたちにうざいほど「足、足」と注意してしまいます(笑)
良い音を出すためには下半身のしっかりした支えがそれだけ重要なのです。
覚えておいてくださいね!