ピアノソロはほとんどの場合、曲を覚えて楽譜を見ずに暗譜で弾くことを求められます。コンクール、試験などは暗譜が参加の前提ですし、発表会でも暗譜で弾いている方がカッコイイですよね。
ひたすら練習して暗譜をすることも出来ますが、そのやり方では多くの時間と労力を費やしてしまいます。より確実に効率よく暗譜するための方法を伝授します。
暗譜のための3本の柱
暗譜のためには以下の3つの覚え方を意識しましょう。
- 耳で覚える
- 手で覚える
- 頭で覚える
この3つの柱が暗譜のスピードと確実性を上げ
あなたを大いに助けてくれます。
ではそれぞれの柱について解説します。
①耳で覚える
旋律やハーモニーの響きを聞いて覚えていくことです。
その曲を弾いている誰かの演奏を聴いたり
自分で弾いている音を聴きながら
「聴く」という作業とともに覚えていく。
皆さん一番よくやっていると思います。
一番自然な覚え方ですね。
②手で覚える
指使いや
跳躍の大きな箇所ではどのくらい手を動かすかなど
身体的な動きとともに覚える方法です。
そのためには正しい動きをインプットすることと
その動きが自分の血肉となるまで何度も繰り返して練習することが必要です。
③頭で覚える
曲の構成を理論的に覚える方法です。
形式を理解し
和声がどう進行しているか
いつどこで何調に転調しているのか
同じ旋律が出てきた時の1回目と2回目でどの音が違って曲が変化していくのかなどなど
理論的に曲を把握し頭で記憶するということです。
これ重要です。
例えば英語の文章を暗記しないといけない時
1文字1文字のアルファベットの羅列をただ覚えるのではなく
「この単語はこういう意味で、文章はこういう構造になっているからこういう意味になる」
と理解しながら覚えた方が早く確実に暗記できますよね。
音楽も同じように捉えて理論的に頭で理解して記憶していきましょう。
そのためには音楽の決まり事である楽典や和声の勉強もしようね。
3本の柱で支え合う
本番で緊張して弾いているとふと「次の音なんだっけ?」と耳で覚えていた①の柱が不安定になることがあります。
でもしっかり弾き込んで②の柱がしっかりしていれば勝手に指や手が次の音の場所に行ってくれます。
緊張で固くなって手がいつものように動かなかったとしてとしても
「ここでイ長調に転調」とか
「ここは嬰へ短調の旋律的短音階のスケールだ」とか
「次は減七」、「2回目だからこの音形」とかが頭に入っていれば
③の柱で正しい音を導き出すことができます。
耳と手(体)と頭の3方面からしっかり曲にアプローチして
3つの柱で記憶を支えていれば
暗譜の効率と確実性が格段に上がります。
苦手意識と恐怖心もぐっと減りますよ!!
どれかの柱が危うくなってもほかの柱でカバーできるように
耳と手と頭をいつもリンクさせて練習することを心がけましょうね。