曲を練習していていつもつっかえてしまうところ、ミスタッチをしてしまうところ、皆さんどうしていますか?
「部分練習しなさい」「ゆっくり練習しなさい」と言われることも多いと思いますが、ただやみくもに回数を繰り返すだけではなかなか弾けるようになりません。
原因と対策を考えて練習することが必要です。うまく弾けない3つの原因と対処法をお伝えします。
なぜこの部分をうまく弾けないのか
原因はこの3つ。
- 次の音を把握していない
- 次の音に手が行ってない
- 指使いが悪い
それぞれについて説明する前にピアノを弾くということがどういう作業のもと行われているのかを解説したいと思います。
ピアノを弾くプロセス
ピアノを弾くことは以下の4つの動作の流れを瞬時に連続して行う高度な行為です。
②脳が目で見た情報(音の高低、リズム、指番号など)を理解し、どのように弾くかをイメージして身体に指令を出す
③指をコントロールして鍵盤を弾く
④出てきた音がイメージ通りの音になっているかを耳で確かめる
⇓
①目は次の音符を見て…②…③…④…
①~④の動作を瞬時のマルチタスクで行っています。
目と脳と指と耳をフル稼働させる行為だから「ピアノを弾くと頭がよくなる」と言われるのですね。
しかし目と脳と指と耳がしっかりリンクしていないとこのプロセスの循環がうまくいかなくなり
つっかえたりミスすることにつながっていくわけです。
うまく弾けない原因と対処法
次の音を把握していない
これは①と②がつながっていない状態です。
次の音が何なのかをきちんと脳が理解していなければ、正しい指令を指に与えることもできません。
しっかり楽譜を見て次はどの音なのか、どういうハーモニーに進んでいくのかを把握し、どの指で弾けばいいのかも確かめておきましょう。
楽譜は指番号なども見落とさないように隅々まで注意深く見ることが大事よ。
次の音に手が行ってない
こちらは②と③と④がうまくリンクしていません。
指が脳の命令をきく前に勝手に動いて音を弾いてしまっているのが原因です。
指が脳のスピードを追い越してはいけません。常に脳が指よりも先に動いて指を支配していなければならないのです。
正しい音を把握したらゆっくりのテンポで
正しい音の鍵盤の上に指を乗せ
確実に正しい鍵盤の上に適切な指を置いたことを確認してから音を出す練習をしてください。
そしてどう指を動かしていけばよいかをあなたの手に覚えさせ、正しい音を弾けばどういう響きがするのかをあなたの耳に覚えさせましょう。
指使いが悪い
それでもうまくいかない場合は楽譜に書いてあった指使いがあなたに合っていない
もしくは、考えた指使いがあなたの手にとって不合理ということなので
もっと良い指使いを探してみましょう。
こちらの記事もご参照に。
こうやって①~④のサイクルが正しく回るようになれば弾けない箇所の問題は解決していきますよ!
遠回りに見えるかもしれませんが「急がば回れ」です。
効率よく、弾けないところを弾けるようにしていくためには3つの原因を常に考えながら
焦らずたゆまず練習してくださいね!