音楽の三要素の一つであるリズム。正しいリズムで弾かないと聴いている人にその曲がどういう曲なのかがきちんと伝わらず、他の人とアンサンブルをするときには合わなくなってしまい音楽の楽しさが半減してしまいます。
でもどんなに難しそうなリズムでもしっかり数えていけば大丈夫。恐ろしく複雑に見えるリズムでも算数の範疇で理解でき数学は必要ありません(笑)
リズムを正しく読み取り演奏するための3つの基本をお伝えします。
音符、休符の長さを理解する
まずそれぞれの音符と休符を覚えましょう。
4分音符は1拍、2分音符は2拍、8分音符は半拍で2つ集まると1拍になる、などのように。
でもこれは4分の4拍子などのように4分音符を1拍でとる拍子の場合ですね。
8分の6拍子では8分音符を1拍、2分の2拍子では2分音符を1拍として数えるので
拍子によって同じ4分音符が2拍になったり半拍になったりします。
あたりまえのことですが大事なことなので、それぞれの音符(休符)の長さの相関関係をしっかり頭に入れておいてください。
ところで「拍」とは何でしょう?
辞書(三省堂大辞林)では以下のように説明されています。
言葉にするとむずかしいね~
数字の概念が理解できるようになってくると「1拍、2拍」などと言っても大丈夫なのですが
就学前のお子さんだとそういう説明ではいまいちピンとこない子もいます。
そういう場合はリズムを言葉にしてみましょう。
私はこんなリズムのカードを使用しています。
それぞれの音符を鳴き声で読んでもらいます。
4分音符はワンちゃんだから「ワン」、2分音符は牛さんで「もーおー」、8分音符はネズミさんが2匹いるので犬が「ワン」となく間に「チュチュ」と鳴いてねと説明して
例えば
こう並んでたら「ワンワンもーおー」と鳴いてもらいます。
多くの教本では4分音符を「タン」、2分音符を「ターアー」、8分音符を「タタ」と発音させていますが
いずれにせよリズムを何度も声に出して発音することで
感覚的に拍がとらえられリズムが理解できるようになってきます。
特に付点のリズムは1.5拍などと言っても小数や分数を習うまでは子どもは「???」なので
このようなリズムは「ターアタ」と読んで覚えることが大きな助けになります。
拍子を数える
それぞれの音符の長さを理解したら拍子を数えながらリズムを読む練習をしましょう。
3拍子なら「1,2,3」、4拍子なら「1,2,3,4」、6拍子なら「1,2,3,4,5,6」とひたすら繰り返して数えていきます。
100までとか数えなくていいんですよ。多くてもせいぜい6まで。
音が細かくなってくると「1ト2ト3ト4ト」というように裏拍も数え、「この音は1ト2ト3ト4トのどこで弾けばいいのか」を落ち着いて考えれば正しいリズムがわかってきます。
タイがあってややこしそうに見えても、シンコペーションで一瞬ドキッとしても
とにかく数えれば大丈夫!!
メトロノームと友達になろう
ただ数える時に気を付けなくてはならないことがあります。
一定のテンポで数え続けなければならない
ということです。
実はこれが意外と難しい。
無意識のうちに苦手なところでテンポが落ちたり、できるところでテンポが速くなったりすることはよくあります。
逆に苦手に思っているところで緊張して速くなることも。
同じ速さで弾いている「つもり」では困るので、ぜひメトロノームという機械の力を借りてください。
メトロノームに合わせることで拍をしっかり感じテンポが一定になるとリズムも整ってきます。
自分の弾きたいように適当に弾いてばかりいるとメトロノームになかなか合わないので、メトロノームで練習することを嫌がる子も時々いますが(苦笑)
プロのピアニストでも練習の時にはメトロノームを使っています。
メトロノームは私たちを正しい道に導いてくれるとても頼りになる相棒なのよ。
昔ながらのこういうメトロノームとか
デジタルのとか
ありますが
最近はスマホのアプリで無料でも使えるものもたくさんあります。
というアプリをiPhoneに入れていつでもどこでも使用できるようにしてます。
ぜひメトロノームと友達になって練習に付き合ってもらってください!
楽譜から正しいリズムを読み取り実践することは曲を正しく理解しするために不可欠です。
きちんとその曲を理解すればその曲の良さがもっとわかるし、演奏するのももっと楽しくなります。
3つのポイントを常に押さえて、よいリズムでよい演奏ができるように練習していってくださいね。