ピアノを習っているとある時期から「スケールの練習しましょう。」と課題を渡されることと思います。
「練習の最初にスケール・アルペジオをしなさい」と指示されている人も多いでしょう。
なんでやらなきゃいけないの~?面白くないから嫌なんだけど~。
こんな風に嫌がるお子さん、多いです(苦笑)。
でもスケールとアルペジオを全調マスターすることはピアノ上達のための標準装備。嫌いでもつまらなくても練習すべき理由と、練習に役立つ楽譜をご紹介します。
スケール・アルペジオをマスターすべき理由
ほとんどの曲はスケールとアルペジオでできている
多くの曲はスケールとアルペジオが組み合わされてできています。
楽譜をよく眺めてみるとあっちにもこっちにもスケールとアルペジオが見つかりますよ。
特にモーツァルトやベートーヴェンなどの古典派の曲はスケールとアルペジオのオンパレード。それらをきちんと弾けないと美しく聞こえません。
スケールとアルペジオをいかに音の粒をそろえて軽やかに滑らかにコントロールして弾けるかという基礎力が演奏の出来を大きく左右します。
単に指の訓練のためだけに練習するのではありません。
曲の中で出てくるスケールやアルペジオのパッセージを楽に美しく演奏するために普段からの基礎練習が必要なのです。
調性感覚が養われる
12の長調と12の短調のそれぞれの調で使われる固有の音を覚えるのにスケールの練習は役立ちます。
カデンツも併せて弾くことでそれぞれの調の主要三和音(Ⅰ、Ⅳ、Ⅴ)と属七の和音覚えることもでき調性感覚が養われます。
調性感覚が身に付いているメリットは何か?
- 譜読みが早くなる
「ここはヘ長調のスケールになっている」
「このパッセージは嬰ハ短調の旋律短音階だ」
「変イ長調のアルペジオをここは弾けばいいんだ」などの分析ができると自ずから音と指使いの把握もでき譜読みのスピードが上がります。 - 譜読みの間違いが減る
例えば「ここはト長調だ」と理解できていれば調号のファ♯を落とすこともなくなります。ほかの音に♯や♭をつけると「なんか響きがおかしい」と自分で判断できるようにもなり、間違いが減って譜読みの精度も上がります。 - 暗譜のスピード、精度も上がる
どのように転調しながら曲が進んでいるかという構造が頭に入っていると
手や耳だけで暗譜しているよりも早く覚えることができ、確実性と安定性も増します。
調性感覚があるといいことだらけですね。
しっかりスケールとアルペジオをマスターすることで調性感覚を自分のものにしてしまいましょう!そして実際の曲の演奏の中で役立てましょうね!
スケールとアルペジオの練習におすすめの楽譜
スケールとアルペジオをハノンで学習する人も多いと思います。
音高入試や音大の副科ピアノの入試などではハノンの39番が課題として出されることがほとんどですが
もっと年齢の低いお子さんが初めてスケールとアルペジオを学習するにはハノンは向いていません。
私のおすすめ楽譜です!